【愛情恐怖症】
死ぬ意味なんてわからないのに
君はまだ僕を殺そうとする
やめろよ 笑っちゃう
脇腹辺りがこそがしいんだ

ざらついた舌が僕を塞ぐ
泣きたくないんだ
もういっそのこと殺して頂戴
そのたくましい腕でそっと

情けない眉に微笑み
尖ったナイフはいつも君の右手に在る
愛なんていらないから
僕を見つめるのは止して

スタンプみたいに僕の首筋に朱
涙を流して喘ぐのです
君の背後からは僕なんて見えない
鈍い灯りだけが僕等を照らす
かなしいね、ああ

【人生落胆】
ほどけたスニーカーの紐で躓く
平凡な道に出来事
ニヒリストの戯言よ

覗きこんだ三角フラスコ
此れが運命なのだと静かに泣いた
無意味な涙を装う
焼け付いた喉が忘れさせてくれないの

何も持っていない掌で
何を信じればいいと言うのよ
懐かしい嘘吐き者
狂った瞳が全てを語るなら死んじゃえ

素晴らしい世界ね
逆転していく景色 加速
ふわふわ麻酔みたいにブラックアウト

【ニヒリスト】
風に揺れる花が綺麗
これが愛なんて笑わせる
今すぐでも枯れそうな可憐さよ

何ていうかミスティシズム!
淡い感情 手で隠す
時計の音がやけに大きい

触れないでと手を弾いた
そんな夜には過激なロック
しとしとと降る雨はドラムに加担した
踏ん張った足が痺れるまで
夢を見させてね

知らない洋書が私の相方
インク切れのボールペン
すべてを愛するなら愛してね
いらないと放るなら私も
意味を求める貴方が嫌いです

枯れた花が好きなのは
使えない物が好きなのは
きっと私が必要ないから
息を止めたら
ひどく安心できた気がした

【キャピタリスト】
全てが必要なら君は
塵同然の命だね
掻き毟って壊したら
きっと君に殺されちゃう

いらないなら捨てなよ
自分を守るものなど在りはしない
断言した途端
泡のように消えて消えて

真っ黒な夜に覆われた
馬鹿みたいだと泣いたんだ
束の間の消息
垂れた涙が唯一の味方なら愛す自信がある

きっと相容れない身体
どうせならまだ愛していたい
ぎりぎりと歯軋り
伸ばした手をどうか取って

【臆病うさぎ】
朝までにはまだ時間はある
まだ1日は終わっていないよと告げた
悲しいのね
縋り付く貴方にどうしてあげることもできない
脆弱

軋んだ昼が嘆くのは
重々しい空気だといつ気付いたのだろう
真っ赤な光 邪魔しないで
弱弱しい白は如何すればいい
脆い、から

振り払ったけど繋ぎたい
誰か紡いで 視線が絡まない
異常なまでに乾いた喉が泣く
寂しい
静寂

きっとまだ私は哀しくて
行き先を探して彷徨っている
最後に染まるのは狐の色
これで愛してくれます、か、

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