【暗闇memory】
光を遮断して
生まれたものは何
抱き締めてほしいのに
哀しみだけが先走って

いつだって閉ざされた空間のまま
じっと潜んで何かを待ってる
手を伸ばしたって届かない
1メートルも1センチも結局は同じなのに

切り刻んだ思い出が
私を苦しめるように踊りだした
ちらつく思い出の破片
拾うことも許してくれない

後姿だけを見つめるだけ
面影が朧
欠落したものを拾うのも
思い出を創りだすのも
まだしばらくは できそうにない

【duello】
最後の盃を傾けた
銀色の鍵を右手に
左手で音を奏でて
開始の合図は唐突に

庭の紅い薔薇は散り
嘆きは耐えることはなく
心中へ閉じ込めた大きな足跡
床に転がったグラスは乾ききって

誓いの言葉などとうに消え
歓喜の世界が待ちわびる
忍び寄った恋心に応える者は居らず
紅い瞳だけが先走り

右手の鍵はとうに錆び
貴方の手に黒い銃
窓辺の鳥が羽ばたくのが
きっと私の死の合図

【relazione】 関係
純白のドレスを身に纏うは姫君
その美しきソプラノで
鮮血に濡れた賛歌を響かせて

妖精が飛び交う庭に
独り横たわる貴婦人の
腹には1つの紅い魂が

血の通わない冷たい手を取って
どうか最後の舞踏会
ホールに響くはソプラノと小さな産声

薔薇の咲き乱れる門の元
たたずむのはいつしかの姫君と貴婦人
貴婦人の懐には幼き赤子
王子様はお1人だけ

【wrath】 憤怒 怒り
この世のすべての天才も
この世のすべての研究者も
この世のすべての心理学者も
この世のすべての哲学者も
私の心を理解できないでしょう
このすべてが渦巻く心情は

苦しまぎれに吐いた言葉は
靴の裏にへばりついた
ガムのようにしつこくはなくて
でもガム以上にいらつくのよ
誰にも見えない焦燥感
嗚呼 誰か抱き締めて!

絶えることのない人ごみ
文字通りごみみたいね なんて呟きながら
私もひっそり混じるのよ
誰かが拾ってくれるのを待ってるかのように
夢見がちな頭を必死に揺らして
私は今日も 知らぬ誰かに怒りの矛先を 向ける

【affection】
例えば君が僕を忘れたとしても
僕は君と共に居るでしょう
存在が在る限り
僕は永遠を追い続ける

この温もり消えないように
そっと包みこんだ
それは確かに
僕たちの絆のように弱く脆い

例えば僕が君を忘れたとしたら
僕は空虚感で埋め尽くされるでしょう
確かに景色はあるのに
すべてが麻痺してぼやけるよう

その思い出途切れないように
ぎゅっと抱え込んだ
これは確かに
僕たちの愛のように強く頑丈

存在がある限り
僕は永遠を追い続ける

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